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@showa-yojyo
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My notes on GIMP3
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GIMP3 利用ノート

TBW: description

環境づくり

GIMP3 を、GIMP2 が動作可能な Windows 10 環境にインストールしたときの流れを要約しておく。

インストール

インストールは winget で行うのが最善であると信じる:

winget source update
winget install -e --id GIMP.GIMP.3

これにより、スタートメニュー内 G 区画に項目 GIMP 3.x.x が出現する。当該アイコンをクリックすることでアプリケーションが起動する。

構成

インストール直後に最低限のアプリケーション構成を実施する。初回だけ指定する項目だ。

メニューから Edit-->Preferences を選択して Preferences ダイアログボックスを開く。

  • Interface タブをまず開け。LanguageEnglish [en_US] に指定しておくことが重要だ。
  • Folders タブの Writable な項目のパスを確認しろ。%APPDATA% 系パスの共通パスが環境バックアップの対象だ。
  • 残りの項目は CPU 稼働やメモリー消費を節約する方向に変えたい。
  • Single-Window モードで利用する。MDI ではなく SDI を好むことから。複数画像はタブで開く。

カスタマイズ

UI の微調整は望ましいことだが、既定のキーバインドを大幅に上書きするというような、過激なカスタマイズは避ける。

  • 前述したように、UI 言語を英語にしておくのを忘れるな。手引を当たるのに必須。
  • %APPDATA%/GIMP/3.0/splashes に画像ファイルを置くと、アプリケーション起動中、それらが無作為に選ばれて描画される。
  • マリオペイント感覚でよく使う図像を自作ブラシにしておく。保存が効く。

コツ

アプリケーションの起動を高速化する術があるかも?

%PROGRAMFILES%/GIMP 3/lib/gimp/3.0/plug-ins にあるサブフォルダーを器用に取捨選択すれば高速化するはず。

ヘルプ

  • UI 要素をマウスホバーすると、簡単な説明を載せたツールチップが出る。
  • / 押しでコマンドパレットが開く。キーワードを入力すると関連機能一覧が現れる。
  • Shift+F1 でコンテキストヘルプ。ブラウザーがポップアップするが我慢だ。
  • 公式手引書を時間のあるうちにだいたい読んでおく。Help-->User Manual の項目群は必修。

ビューポート(キャンバス)操作

ビューポート操作をなるべくキーボードで行いたい。

キーバインド コマンド コメント
1 Zoom 1:1 原寸表示 cf. Fit Image in Window
2 Zoom 2:1 原寸から二倍 cf. Zoom 1:2
Num 2 Zoom 1:2 原寸から半分 cf. Zoom 2:1
+ Zoom In テンキー側でも可
- Zoom Out テンキー側でも可
@ Revert Zoom 直前のズーム状態が復元する
  • ズームは 12 くらいしか使わないだろう。
  • +- でそれぞれズームインとズームアウト。必要なだけ押す。

ビューポートの中央と窓の中央を一致させるコマンドが二つある:

キーバインド コマンド コメント
Ctrl+J Center Image in Window 窓の中央と画像の中心を合わせるように表示
Ctrl+Shift+J Fit Image in Window 画像全体を中央に収まるように表示

タッチパッドでのスクロール機能を無効にしている手前、パンもキーボードで行いたい。問題はスクロールのつもりでキーを押すと、Move コマンドが発動して絵が動く場合があることだ。 これは起動中のツールが選択モノだとそうなるようだ。次のキーボード操作でパン:

キーバインド コマンド コメント
Shift+ Scroll page left スクロールバーが左に動くようにパン
Shift+ Scroll page up スクロールバーが上に動くようにパン
Ctrl+ Scroll to left border スクロールバーが左端に来るようにパン
Ctrl+ Scroll to top border スクロールバーが上端に来るようにパン
  • 表では割愛したが、 も上記と同様のキーバインドで対応する方向にスクロールする。
  • Keys and Mouse Reference Scrolling (panning) にある記述は現況と全然異なる。

Space を押すとマウスカーソルが十字矢印に変化することがある。キーを押したままタッチパッドを指でなでるといちおう pan する。 しかし、動きがすぐに止まり使い勝手がべらぼうに悪い。

選択の挙動を理解する

選択はチャンネルと同じように実装されている。R, G, B, A などと同列。

選択範囲作成中に描かれる破線は、半分以上選択されている領域とそれ以外の領域の境界を描く。

Quick Mask (Shift+Q) は選択範囲の詳細を赤色で表現する。赤が濃いほうが選択率が低い。

選択コマンドの Feather edges オプションを使うと、選択範囲の境界における選択率を線形に変化させられる。

  • または、選択範囲を定義してから Feather コマンドでそう変化させることも可能だ。
  • Feather には逆操作がある。Sharpen コマンドだ。

選択コマンドはいろいろあるが、Rectangle (R) と Free Hand (F) をよく用いる。

Rectangle と Ellipse 選択ツールによる範囲決定操作は Windows の mspaint.exe とは違い二段構えだ。 選択範囲を示す破線を微調整できるモードがある。

  • 編集モードではハンドルを操作して、編集範囲の境界を変形させることが可能。
  • 編集モードから Enter で確定状態にできる。
  • 編集モードで選択枠全体を移動させることが可能。マウスポインターが編集枠内、ハンドルが出ない位置にあるときに:
    • 左クリックドラッグ
    • 矢印キーを押すと一ドット動く
    • Shift を押しつつ矢印キーを押すと 25 ドット動く
  • 編集モードで選択領域の大きさを変化させることが可能。マウスポインターが編集枠ハンドル内に位置するときに上記の操作を行う。

Windows ペイントの感覚で選択範囲の絵を切り取ったりコピーしたりするには、範囲確定後に次の操作を行う:

  • Ctrl+Alt を押しながら左クリックドラッグで Cut and Float 相当。
  • Shift+Alt を押しながら左クリックドラッグで Copy and Float 相当。

Free Select や Fuzzy Select などを併用しても選択形状を上手く定義できない場合には

  • Path を描いて選択範囲に転換するか、
  • Quick Mask (Shift+Q) を使え。

どちらもお絵描きによって選択状態を定義する点が共通する。

Paste 系コマンドの細かい挙動の違いを理解する

スクリーンショットなど、クリップボード画像を基に作業を始める場合には Paste ではなく From Clipbard コマンド (Ctrl+Shift+V) を使え。

  • Paste は新規レイヤーを生じてから、そこにクリップボード内容を描く。
  • 貼り付け素材が GIMP で編集中の画像からで、同じ位置に貼り付けたい場合には Paste In Place コマンド (Ctrl+Alt+V) を用いる。
  • Paste as
    • Paste as Floating Data コマンド系は、Paste コマンドにおける新規レイヤーが浮遊レイヤーに代わったものだ。
    • Paste as New Image コマンドは上記の From Clipboard と同じ結果になる。

In Place で終わるコマンドは、絵を元の位置と同じ場所に配置するという含意があるようだ。挙動が読みやすい。

TODO: 上記のコマンド実行後、クリップボードが空になる?

Float を理解する

Float にコンパクトな記述がある。

  • どの瞬間にも浮遊選択・浮遊データ・浮遊レイヤーは一つしか存在しないので、これらを同一視してもよい。
  • 浮遊レイヤー存在中、他のレイヤーではいっさいの操作をできない。
  • 浮遊レイヤーは永続的に存在するべきものではない。標準化または元レイヤーに統合する。
    • To New Layer コマンドはレイヤーを新規作成し、その内容を浮遊データから確定する。
    • カーソルが錨の図像のときにクリックするか、Ctrl+H を押すかで浮遊データを元レイヤーに定着させる。
  • Cut や Copy コマンドには版がある。メニューの場所が Select-->Float 以下なのでわかりにくい。

レイヤー関連

レイヤーの概念は現代では常識であるので、基本的な事項に関する込み入った説明は不要。

  • 何かをするときには Layers ダイアログを観察して、どれがアクティブレイヤーであるのかをまず確認しろ。
  • JPEG 画像を開いた瞬間などの、RGB しかないレイヤーでも、A チャンネルを後から追加可能。例えば Add Alpha Channel コマンドを実行する。
  • 特定のレイヤーだけ visible にするには、Shift を押しつつ目玉アイコンをクリックする。
  • Alt を押しつつ画像内要素マウスホイールクリックで、その絵を含むレイヤーをアクティブにすることが可能。

レイヤー境界と画像のそれは一般には異なる。

  • 画素操作はレイヤー境界の内側にしかできない。
  • レイヤー境界は黄黒の境界線が示す。
  • レイヤー境界はレイヤー寸法を変化させたり、何らかのコマンドを実行したりすることで更新する。

レイヤーモードは混合 (blending) モードだ。Layers ダイアログのドロップダウンリストから設定する。

  • 素人なので Normal しか使わない。ここを改善したい。
  • このモードは一部の描画系ツールが備えているそれと同一の概念だ。値それぞれの意味も同一。
  • レイヤーモードは七つのまとまりに分類される。
    • Difference は画像の差分を確認するのに使える。
    • 虹色グラデーションは LCh Color で重ねるのがいい感じだ。
Group Modes Description
Normal Normal, Dissolve, Color erase, Erase, Merge, Split. ある種の消去
Lighten Lighten only, Luma lighten only, Screen, Dodge, Addition. 明るくする
Darken Darken only, Luma darken only, Multiply, Burn, Linear burn. 暗くする
Contrast Overlay, Soft light, Hard light, Vivid light, Pin light, Linear light, Hard mix. 明度差を強調
Inversion Difference, Exclusion, Subtract, Grain extract, Grain merge, Divide. ある種の色反転
HSV components HSV Hue, HSV Saturation, HSL Color, HSV Value. HSV 式色表現による成分選択
LCh components LCh Hue, LCh Chroma, LCh Color, LCh Lightness, Luminance. LCh 式色表現による成分選択

レイヤーマスクの考え方を早く理解する。

レイヤーは入れ子にできる。これをレイヤーグループという。ファイルシステムにおけるファイルとディレクトリーの関係をレイヤーとレイヤーグループに当てはめて考えるとよい。

  • レイヤーの属性のほとんどをレイヤーグループも有する。
  • 空のレイヤーグループは New Layer Group コマンドで作成する。
  • レイヤーグループに既存レイヤーや既存レイヤーグループを追加するには、Layers ダイアログで項目をドラッグ&ドロップするしかない。
  • レイヤーグループのアイコン描画が重い場合には、Preferences ダイアログの Interface タブでオフにする。

テキスト関連

テキストオブジェクトを作成すると、それ専用のレイヤーが生じる。

  • テキストがたくさんある場合にはレイヤーグループを効果的に使うといい。同じフィルターを施す事例が多いので。
  • テキスト編集時に Use editor window で出現するダイアログボックスのフォントコントロールはドロップダウンリストになっていない。
    • なぜか編集可能になっている。
    • 何文字かタイプすると、それにマッチするフォントの一覧がドロップダウンに示される。

いざとなれば Inkscape から完成したテキストオブジェクトを含む SVG ファイルを GIMP にインポートすればいい。

フルカラー関連

GIMP には色補正関連のコマンドが、特に自動補正ものがいくつか備わっているが、それ一発ですべてが解決するという性質の機能ではないことを忘れるな。

使えるフィルター

使い方を理解しているフィルターともいう。

Filter Use Case
Mean Curvature Blur 画像のノイズを除去する
Pixelize おなじみのモザイク処理
Circular Motion Blur 疾走感を円形に出す
Linear Motion Blur 疾走感を線形に出す cf. Wind
Zoom Motion Blur 疾走感を画面鉛直方向に出す
Noise Reduction 画像のノイズを除去する
Symmetric Nearest Neighbor 画像のノイズを除去する
Sharpen (Unsharp Mask) ボケた画像に対してダメ元で試す
Lens Distortion ハメ込み合成
Ripple 旅の扉を再現する
Whirl and Pinch 嘆きの戦士の顔を覗き込んだときの効果
Long Shadow いつもと違う drop shadow を施したいときに有用
Dilate ネオン効果が気になる
Text Styling テキストに限らず汎用性があるように見える
Small Tiles V2 バイオリン
Grid 方眼紙を描きたいときに用いる
Line Nova 集中線を生成

画像を保存する

ファイル保存コマンドは複数ある。要約する:

Command Description
Save 新規画像ならば xcf 形式で保存する。それ以外は上書き保存をする。
Save As 異なるファイル名前をつけて xcf 形式で保存する。
Save a Copy 現在の作業のスナップショットを xcf 形式で保存するという運用をする。
Export 既存 xcf ファイルを開いているならば Export As と同値。
Export As 別形式ファイル (e.g., PNG, JPEG) に保存する。
Overwrite インポート画像を開いている場合限定。当該型式で上書き保存する。

急所のショートカットキーを暗記する

Keys and Mouse Reference にあるうち、個人的に頻繁に実行する操作のショートカットキーを習得し、有用そうなものを片ッ端から試せ。

  • 一般的なアプリケーションと共通しがちなショートカットキー(開く、上書き、等々)は省略。

修飾キーなしショートカットキーと個別に記憶したい。

キー コマンド コメント
Tab Docks 表示切り替え コマンド名称不明
PgUp Select Previous Layers アクティブレイヤー全てが対象
PgDn Select Next Layers アクティブレイヤー全てが対象
End Select Bottom Layer
Home Select Top Layer スクロールキー系はアクティブレイヤー変更
/// 触るな
1 Zoom 1:1 原寸表示 cf. Fit Image in Window
2 Zoom 2:1 原寸から二倍 cf. Zoom 1:2
B Paths
D Default Colors 描画色を黒に変えたいときに
F Free Select フリーハンドにも多角形にも描ける
M Move
O Color Picker 描画色か背景色などの決定は先延ばし可
R Rectangle Select 矩形選択は基本
T Text テキスト定義は基本
U Fuzzy Select cf. Select By Color
X Swap Colors 描画色と背景色を交換
Z Zoom 拡大縮小操作にはマウスも使う
Num 2 Zoom 1:2 原寸から半分 cf. Zoom 2:1
+ Zoom In テンキー側でも可
- Zoom Out テンキー側でも可
/ Search and Run a Command とても便利なコマンド検索欄が出現
F1 Help うっかり押すとブラウザーが開く
F11 Fullscreen 全画面表示と通常表示を切り替える
[ Size: Decrease By 1 ブラシサイズなど
] Size: Increase By 1 ブラシサイズなど

修飾キー付きショートカットキーで憶えたいもの:

キーバインド コマンド コメント
Ctrl+, Fill with FG Color Bucket Fill ツール起動不要
Ctrl+. Fill with BG Color Bucket Fill ツール起動不要
Ctrl+; Fill with Pattern Bucket Fill ツール起動不要
Ctrl+F Repeat Last Filter cf. Reshow Last Filter
Ctrl+H Anchor Layer
Ctrl+I Invert Selection 選択範囲を補集合と交換
Ctrl+M Merge Visible Layers 目玉がオンのレイヤー限定
Ctrl+T Show Selection 選択範囲を示す点線表示切替
Ctrl+W Close View 現在の画像ビューを閉じる
Ctrl+Shift+, Opacity: Decrease By 1 Opacity コントロール上
Ctrl+Shift+. Opacity: Increase By 1 Opacity コントロール上
Ctrl+Shift+A Select None 選択範囲を空集合に
Ctrl+Shift+B Brushes Dialog 画面右側のブラシパレット出現
Ctrl+Shift+D Duplicate Layers アクティブレイヤーは複数あり得る
Ctrl+Shift+E Export As 別フォーマットでファイルに保存
Ctrl+Shift+F Reshow Last Filter 直前に使ったフィルター UI を出現
Ctrl+Shift+J Fit Image in Window 画像全体を中央に収まるように表示
Ctrl+Shift+N New Layer ダイアログが出現
Ctrl+Shift+V Create From Clipboard クリップボードデータから画像を新規作成
Ctrl+Shift+W Close All 開いている画像全部を閉じることが意外とある
Ctrl+Shift+Y Strong Redo cf. Redo
Ctrl+Shift+Z Strong Undo cf. Undo
Ctrl+Alt+O Open as Layers 複数画像ファイルから複数レイヤーを作成
Ctrl+Alt+V Paste in Place レイヤーを増やすことなく貼り付ける
Shift+C Crop 画像裁断
Shift+E Eraser 消しゴム
Shift+E Flip ツールに入る
Shift+J Center Image in Window cf. Fit Image in Window
Shift+O Select By Color cf. Fuzzy Select
Shift+Q Toggle Quick Mask Quick Mask モードに出入り
Shift+R Rotate
Shift+S Scale
Shift+F1 Context Help これもブラウザーが開くが意図どおりなので OK
Shift+[ Size: Decrease By 10 ブラシサイズなど
Shift+] Size: Increase By 10 ブラシサイズなど

資料

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